月刊誌 致知 2014.7月号の掲載より抜粋

人は皆、天からその人だけの真実を授かってこの世に生まれてくる。その真実を発揮していくことこそ、すべての人に課せられた使命である。自分の花を咲かせるとは、この天真を発揮して生きることに他ならない。

昔、ある人にこういう話を聞いた。オリンパスの神々が集まり、「幸せになる秘訣をどこに隠したら、人間はそれを見つけた時にもっとも感謝するか」を話し合った。「高い山がいい」「いや、深い海の底だ」「それよりも地中深くに埋めるのがいい」と議論百出。すると、一人の神が「人間の心の奥深いところに隠すのが一番だ」と言い、全員がその意見に賛成した、という話である。
幸せの秘訣は人間の奥深くにある。自分の花を咲かせる秘訣は心の中にある、ということである。だが、心の奥深く隠されているが故に、秘訣に気づかぬままに人生を終える人も少なくない。どうすればその秘訣に気づき、自分の花を咲かせることができるのか。
まずは、自らの命に目覚めること。自分がここにいるのは両親がいたからであり、その両親にもそれぞれ両親があり、それが連綿と続いて、いま自分はここにいる。どこかで組み合わせが変わっていたら、あるいは途絶えていたら、自分はここにいない。自分の命は自分のものではない。すべて与えられたものだ。その自覚こそ、自分の花を咲かせる土壌となる。

この文章は、2014年7月に出版された月刊誌 致知に掲載されていたものです。当時、この文章を読んで「ズンっ」と心に響き、「私の花を咲かせる秘訣は」と自分に問いました。私が楽しいと感じる時、喜んでいる時、それはどんな時だろう。小さいころ夢中になっていたこと、楽しかった時ってどんな時だっただろう…。
一つ一つ辿って行き、行き着いたことは「自分も笑顔でいれて、目の前の人も笑顔でいてもらえた時」この時が一番喜びを感じていて満たされていたことに気が付きました。

私の名前は寿に枝と書いて「寿枝(ひさえ)」と両親から命名していただきました。「寿」の字の由来は「喜びや祝いの言葉を言う祝詞」「長寿」「人の生命を管理する」などの意味、「枝」は「大きな幹から分かれる」「支える」「手足」などの意味を持つそうです。自分なりの解釈ですが「寿」の意味する「喜びや祝い」「愛でる」言葉を「枝」にして分け与える、伝える、時に支えていく役目だと思っています。

人がこの世に誕生するとき、魂(神)との約束を結び「今世で目的を達成するために必要な環境を自ら選んで生まれてくる」といい、時代、両親、性別、生まれ出る日、名前も自分で決めて、両親はそれを感じて命名するのだという考えがあり、私もそう考える一人です。

私の占いは、誰から教わったわけもなく自然に身についたもので、それを活かさなければならない必然的な出会いに導かれて占いカウンセリングをするようになりました。(いつか話す機会があれば当時の時のことを語ろうと思います)
そして現在は、占いに来られたご縁ある方を必ず笑顔にして帰っていただくことを信念に占いカウンセリングをしています。ですから、後に名前の意味とつながった時は「占いカウンセリング」をしていることも天命なんだなと思いました。

人は、心が迷子になっている時ほど遠くに答えを求める傾向が強いように思います。自分の弱さを責め、あるいはフタをし、それを補うために強さを求めようとする。足元ではなく遠くにあるような気がして遠くばかりに目が向く、迷路に迷い込む。
強さが活発で積極的な時は自分をごまかすことができても、ふと我に返り、あるいは消極的な自分になると不安は大きく成長していることに気が付く。迷子になっている自分に気付く。だから、また積極的な自分を引き出して強さで何とか補おうと努力する。あるいは逃げる、引きこもるということもある。強さに憧れるあまり心に歪み・妬みの感情が育つかも知れない。

このオリンパスの神々の話の様に「自らの命に目覚めること」は、簡単にできることではないのかも知れない。だから自身を深く観察し、深く知り、弱さも強さも愛すること、受け入れること。両親を知ること、先祖を知ること、名前の由来を知ることなど…、きっかけを頂く度に自分と向き合い、命の尊さを知り、感謝する心を忘れてはならないのだと思います。
「自分の花を咲かせる」「幸せになる秘訣」は「私自身の中にある」と信じして自分の生きてきた道を、心に、感情に囚われることなく淡々と振り返ってみると、その秘訣はすぐそこにあり、心の奥深くに輝く光(魂)と出逢えるのでは…そのように思います。その光が確かな大きな光に育つように、私も日々取り組んでいこうと思います。

 

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